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SDGs課題解決型授業を日テレ&ネットワーク各社が支援

2021年10月6日から12月24日まで、学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校(以下、N高)・S高等学校(以下、S高)で行われた「これからの『ローカルSDGs』テレビ番組制作プロジェクト」
全国のN/S高生2,415名と、N中等部から特別選抜された14名が取り組んだのは、それぞれが暮らす地域にまつわるSDGs課題の発見・調査と、その解決策の検討・実行。さらに、その内容をテレビ番組形式にまとめて発表するというプロジェクトです。

期間は3ヶ月・全32回。この大きなプロジェクトに、日本テレビおよびネットワーク各社のSDGsに関わる報道に従事する社員が講師として参加し、中高生の学びをお手伝いさせて頂きました。

10月初旬:日テレ報道マン、基調講座を行う

日本テレビ報道局より2名が登壇。壮大なプロジェクトに取り組む中高生に、日頃テレビマンとして行っている取材から放送までの流れや留意点についてお伝えしました。

多くの質問が寄せられ、普段はテレビを視聴する側の中高生が、このプロジェクトでは「誰かに何かを真剣に伝えようとする」送り手側に挑戦!熱い意気込みが感じられました。登壇した2人も「(テレビマンとしての)初心を思い出させてもらった」「SDGsを自分ごととして真剣に考えていてすごい!」と感嘆の声をあげていました。

10月中旬:ネットワーク各社のテレビマン、生徒からインタビューを受ける

ネットワーク各社の報道マンやアナウンサーが、いよいよテーマを固め、取材を始めようとする中高生からインタビューを受けました。ネットワーク各社からは、地域ならではのSDGsに関連する取材経験の多いプロが参加。実体験を交えて、取材の手法や報道の影響力などについて的確な助言をしてくれました。生徒たちと現役テレビ報道マン。年齢も立場も違えど、地域のより良い日常を守りたい気持ちは同じ!

オンラインという環境をものともしないパワフルなディスカッションが繰り広げられました。ネットワーク各社の皆様からは「話すことによって、自分の仕事の重要なポイントを改めて整理し直すことができた」「地域のSDGsの重要性を深く感じた」など、中高生との直接のコミュニケーションによって、よりよい明日をつくるテレビ報道の意義を再認識されていたようです。

11月中旬:中間発表会に参加

報道局の2名が生徒さんの中間発表を聞きました。初めての映像制作に挑戦する生徒も多い中、グループの仲間と力を合わせ、自ら調べ考え抜いたSDGsへの取り組みを伝える、さまざまなテレビ番組の企画が発表されました。

我々の役目は、それぞれの企画に対するアドバイスをすること。素直な気持ちで事象を見る心、楽しく伝えようと工夫を凝らすこだわりが随所に見られ、若い世代の柔軟な発想力に驚くとともに、報道マンとしてもこちらが学ばせていただくことが多い貴重な時間でした。企画や映像制作については何年もの知見を持つ“先輩”として全力で助言をさせて頂きましたが、その場ですぐに理解・吸収できるカンの良さ、すぐに次の質問が沸いてくる姿に舌を巻きました。

12月下旬:最終発表会に審査員として参加

いよいよ完成した動画のお披露目となる最終発表会。報道局から2名、サステナビリティ推進事務局から1名が代々木キャンパスにお邪魔して、生徒さんたちの力作を拝見しました。

ドラマ仕立てのものから、ニュース、トーク、バラエティ…実に様々なアイディア番組が勢揃い!中にはこの短期間でよくぞここまで、と驚かされるCGアニメーションやクレイアニメの作品まで登場しました。

今の中高生はすごい! 動画に対する瑞々しい感性や、生まれてこの方、大量の動画を見てきた底力を感じて脱帽です。

内容的にも素晴らしいものがありました! SDGs課題に対して、大所高所からの評論するようなものは一つもなく、一人ひとりが生活者として得た身近な体験をきっかけにテーマを設定。問題の背景を調査し、街の人の声を聞き、「今日から出来ること」を一緒にやろうと訴える作品でした。

兎角、賛否が分かれ解決が困難になることも多いSDGs課題ですが、生徒さんたちは、グループワークで互いの感じ方・価値観を尊重しながら、全員で納得できるアイディアに辿り着いていました。さらに特筆すべきは、正論を押し付けるような動画は1つとしてなく、伝えたいことを受け止めてもらえるように、エンターテインメント性に富んだ番組に仕上げていたことです。こうした中高生の姿は、まさに我々大人たちのお手本でもありました。

事務局を務めて

N/S高・N中等部の教職員スタッフの皆様と、カリキュラムの構築段階からご一緒させていただいた『ローカルSDGs』動画制作プロジェクト。素晴らしい作品を見せてくれた生徒さんからは、嬉しいことに「これまででナンバーワンの授業でした」という言葉を頂きました。

中高生も我々プロのテレビマンも、本当の情報(=事実)にこだわって自分の目で耳で足で確認しようと行動する気持ちは同じです。その根っこには、“本気で「知りたい」と思う情熱”があることも共通しています。知りたいことを追求すること、伝えたいことを受け取ってもらえるよう知恵を絞って映像にするテレビマンの情熱が、未来を担う生徒さんに伝えられたような気がします。これから先、彼らが何かを生み出すことに、少しでも役に立ったらこんなに嬉しいことはありません。

SDGsの17のターゲットに向き合い、我々と中高生がありったけの知見を持ち寄り、共に取り組めたことに心から感謝を申し上げます。